安楽寺 (岐阜県坂祝町)

安楽寺観音堂に祀られている<西国三十三所観音菩薩>33体は数奇な
由縁で安楽寺に移座されてきた。
現在の岐阜県東白川村神土神付にあった茶菴堂に祀られていたが、明治3年
廃仏毀釈の嵐に見舞われ、東白川村などの全てのお寺が廃寺となっている。
ちなみに、現在においても東白川村にはお寺はなく、これは全国自治体の
中でも唯一の無寺の市町村である。
仏道から神道へ全てが移ったのである。
廃寺となった茶菴堂から何らかの方法で、明治3年観音菩薩33体が
完全無傷で安楽寺に移された。
明治時代初期の神仏分離・廃仏毀釈がどれほどのものであったかを
物語っている。

安楽寺は791年に開創されたと伝えられる。
境内入口近くに建つ芭蕉句碑は、1685年芭蕉<野ざらし紀行>の旅の
帰路に詠まれ、大針観音堂に奉納した句である。
 <菜畑に花見かほなる雀かな>

<岐阜県のお寺一覧>

(1)寺名:安楽寺(あんらくじ) 
(2)住所:岐阜県坂祝町大針31-1
(3)山号:吉祥山 (4)宗派:臨済宗妙心寺派
(5)開基:妙吉祥覚法 (6)開創:791年 
(7)本尊:聖観音
(8)その他
1)本尊・聖観音坐像:町指定文化財 藤原時代
2)三十三所観音菩薩33躯:町指定文化財 江戸時代中期
3)訪問日:2015年10月4日


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                 全景

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                 本堂

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                芭蕉句碑

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                東白川村


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