世尊寺 (奈良県大淀町) 聖徳太子ゆかりの寺

奈良県大淀町の世尊寺は、587年用明天皇の勅願によって聖徳太子が
開創した比蘇寺(比曽寺)が始まりと伝えられている。
境内の発掘調査から飛鳥時代後期の瓦などが発掘され、7世紀末には
薬師寺式伽藍配置を持つ大寺で、法興寺・四天王寺・法隆寺と並ぶ
4大寺といわれた。
奈良・平安時代と大いに栄えたが、鎌倉時代以降は衰え、寺名も
頻繁に変わっている。
豊臣秀吉の時代に東塔(三重塔)が伏見城に移設され、その後徳川家康
がそれを大津市・三井寺に移し現在は重文に指定され健在である。
なお、西塔は平安時代には焼失している。

1751年伽藍を縮小整備して再興され、現在の世尊寺となっている。
芭蕉は世尊寺となる前1688年にここを訪れ、聖徳太子手植えの桜
<壇上桜>を愛でて句を詠んでいる。
  <世にさかる花にも念佛まうしけり>
境内一帯は<比曽寺跡>として国の史跡に指定され、花木が植生され
奈良の<隠れ花の寺>と呼ばれるほどに彩りを呈する。

<奈良県のお寺一覧>

(1)寺名:世尊寺(せそんじ) 
(2)住所:奈良県大淀町比曽762
(3)山号:霊鷲山 (4)宗派:曹洞宗
(5)開基:聖徳太子 (6)開創:587年 
(7)本尊:阿弥陀如来
(8)その他
1)聖徳太子霊跡第7番
2)比曽寺跡:国指定史跡
3)太子堂:県指定文化財 18世紀前半
4)本尊阿弥陀如来坐像:重要美術品 藤原時代 像高145cm
  十一面観音立像:県指定文化財 奈良時代(頭部など後の時代に補修) 
          像高218cm
5)現光寺縁起絵巻:町指定文化財 17世紀
6)芭蕉句碑

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                 山門

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                 境内

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                 東塔跡

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              <重文>三井寺三重塔
              <元比蘇寺の東塔>

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                 中門

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                 境内

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                 太子堂

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                 本堂

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                壇上桜の木

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                芭蕉句碑


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