喜多院 (埼玉県川越市) 川越大師

埼玉県の名刹・喜多院は<厄除のお大師さま>として深い信仰をあつめ、
1月3日の初大師には数10万の参拝者で賑わい、境内には<だるま市>が
立ち並ぶ風景が展開される。
お大師とは慈恵堂に祀られる<元三大師(慈恵大師良源)>で、天台宗では
よく厄除大師と呼ばれている。

830年淳和天皇の勅願で慈覚大師円仁が無量寿寺を開創し、
北院・中院・南院の3院からなっていた。喜多院はこの北院が始まりである。
1296年尊海僧正が元三大師を祀って再興して以来、厄除大師信仰が
浸透していったといわれている。
1599年天海僧正が北院の住職となり、1611年無量寿寺北院を
無量寿寺喜多院と改名し、徳川将軍の庇護の元大いに繁栄した。

1638年川越大火で山門を残し全焼したが、徳川家光により江戸城から
別殿を移築し客殿・書院などとしている。この再興による伽藍が今日の
喜多院である。

境内は観光スポットとしても人気があり、参拝客が絶えることがない。
また文化財の宝庫でもあり、信仰と文化財の寺としてその存在を示している。

<埼玉県のお寺一覧>

(1)寺名:喜多院(きたいん)<通称:川越大師>
(2)住所:埼玉県川越市小仙波町1-20-1
(3)山号:星野山 (4)宗派:天台宗
(5)開山:慈覚大師円仁 (6)開創:830年 
(7)本尊:阿弥陀如来
(8)その他
1)主な伽藍
  山門:重要文化財 1632年
  客殿・渡廊:重要文化財 1638年 柿葺
  書院:重要文化財 1639年 柿葺
  庫裡:重要文化財 1638年 橡葺形銅板葺
  鐘楼門・梵鐘:重要文化財 1702年
  慈眼堂・厨子:重要文化財 1645年
  慈恵堂(本堂):県指定文化財 江戸時代前期
  多宝塔:県指定文化財 1639年
  番所:県指定文化財 江戸時代中期
 (参考)
  東照宮:重要文化財 1640年
  日枝神社:重要文化財
2)その他文化財
  梵鐘:重要文化財 1300年
  職人尽絵:重要文化財 江戸時代初期 狩野吉信筆
  宋版一切経:重要文化財 中国宋代
  天海僧正坐像:県指定文化財
  五百羅漢像:市指定文化財 日本三大羅漢
  松平大和守家廟所:市指定史跡
  他多数の文化財
3)喜多院境内:市指定史跡
4)暦応の古碑:県指定史跡
5)庭園:枯山水書院式の曲水庭園
6)初大師:1月3日 ダルマ市
7)訪問日:2010年11月5日

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               <重文>山門

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                 境内

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                 慈恵堂

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               <重文>慈眼堂

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                 多宝塔

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               <重文>鐘楼門

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                <重文>庫裡

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                <重文>客殿

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                <重文>渡廊

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                  庭園

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                 五百羅漢

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                 暦応の古碑

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               <重文>東照宮拝殿


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