もくもく探索日誌 ２０１０年８月２２日 大分県国東半島

朝６時過ぎにホテルを出発。今日は、国東半島の東側を探索すべく北へ
向う。六郷満山霊場第２７番＜長慶寺＞を経て、お目当ての一つ霊場
第２６番＜岩戸寺＞に着いたのが朝７時半。
朝の冷気とはいかず、湿った重たい暖気が自然林に覆われた山腹の境内を
包んでいる。矢張り石段を根気よく登り、奥の院に到着。
ここの国東塔は１２８３年のもので、重文に指定されており、その風貌は
堂々としたものである。
また、石造仁王像は１４７８年のもので、丸彫り石造仁王では日本最古
といわれているそうだ。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　国東半島の山並み

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　岩戸寺



霊場第２５番＜文殊仙寺＞も自然林に覆われた山腹に展開する石段の
霊場である。推定樹齢が千年といわれるケヤキの木には圧倒される迫力が
あり、またその近くに建てられた宝篋印塔の高さも国東最高と言われている。
岩戸寺・文殊仙寺は六郷満山霊場の典型といえる自然と山岳宗教の霊気を
漂わせている。



修正鬼会の霊場第２９番＜成仏寺＞を経て、国東半島の中心に位置し、
最高峰でもある両子山（７２１ｍ）の山腹に展開する霊場第１３番＜両子寺＞
は六郷満山の中核霊場となっており、道路もあちこちからアクセスできる
観光寺の様相を示している。あまりにも整備が行き届きすぎて霊場の雰囲気
は薄く感じられる。



＜山びこ学校＞の著者で知られる無著成恭が住職をする霊場３２番＜泉福寺＞
は、平地にあり石段もない禅寺である。やっと石段から逃れられた。
お目当ては、仏殿・開山堂などの建物にあり、いつもの探索に戻った。



足利尊氏発願の＜安国寺＞、地蔵尊の刻まれた国東塔の＜西光寺＞、
霊場第１７番＜報恩寺＞、最も優美な国東塔の＜照恩寺＞を経て
城下町・杵築市に到着したのが午後１時過ぎの酷暑の中。



杵築の城下町は趣のある町として観光客も多い。
私が訪れるのは、この杵築藩の藩主菩提寺＜養徳寺＞、藩主奥方の
菩提寺＜長昌寺＞、枯山水庭園の＜妙経寺＞など寺町を探索。



隣の日出町では、霊場第３３番＜願成就寺＞、日出藩主・木下家の
菩提寺＜松屋寺＞と探索。
日出藩主・木下家は豊臣秀吉の正妻・ねねの実家にあたり、江戸時代に
日出藩に移されている。
何と言っても、日本一のソテツがすばらしい。



今晩の宿泊は大分県西部の日田市に予約を入れて向う。
高速道路が渋滞したが、夕方５時過ぎに到着し、＜長福寺＞に立ち寄る。
ここの本堂が３年前に重文に指定されている。
今日も１１時間の探索であったが、自然林の中から街中の寺町と変化に
富んだ１日となった。